みなさんは、日本における性交同意年齢をご存知でしょうか。
1907年(明治40年)に制定された現行刑法の中では、13歳未満の児童との性的行為はそれ自体が罪とされていますが、13歳以上の場合は暴力や脅迫なく同意があれば性交は罪にはならないということです。
そもそも、性交同意年齢とはどのようなものなのでしょうか。
性行為の同意能力があるとみなされる年齢の下限であり、性行為がどのような行為かを理解し、自分が性行為をしたいか、したくないかを判断できる年齢
このように定義されています。
みなさんはこの定義をどのように感じるでしょうか。
ご自身が13歳だった頃、性交がどのような行為かを認識し、そういった行為をしたいかどうかを正しく判断できていたと思いますか。
個人的見解としては、かなり無理があると感じています。
なぜ日本では性交同意年齢が13歳以上と定められたのでしょうか。
この背景には制定当時の社会的事情があります。例えば女性の寿命。明治40年当時、女性の平均寿命は44歳でした。若くして結婚し、妊娠・出産することが当たり前であった時代において、性交同意年齢が13歳以上であることは妥当であったのかもしれません。しかしながら時は令和です。時代背景も平均寿命も変化していく中、法律は明治で止まったままです。
また、性行為がどのような行為であるかを理解し、自ら性行為をしたいか否かを判断できるという定義には疑問を感じずにはいられません。一体いつ誰が教えてくれるのでしょうか。今もなお、日本の義務教育の中では性交がどのような行為かをはっきりと子どもたちに教える時間は設けられていません。その結果、多くの子どもたちはインターネットなどに掲載されている曖昧な情報や個人の主観に偏った意見を正しい情報であると認識し、性産業である映像の中の行為を現実にありうることとして誤解してしまっています。
そんな誤った知識を元に判断される「同意」は、果たして正しく判断されたものでしょうか。あるいは13歳にはそもそも「同意」の定義すら理解できていないこともあるかもしれません。
制定されてから一度も改正されなかった刑法ですが、実は2017年に110年経って初めて改正されました。その際、保護者や監護者による性暴力については対象が18歳未満と明記されましたが、性交同意年齢の引き上げには至りませんでした。その理由については、隣国の韓国の性交同意年齢(2017年当時は同様に13歳)が関係していたのではないかという見方があります。
それでは他の国の性交同意年齢はどのようになっているのでしょうか。
現在の各国の性交同意年齢は以下の通りです。
16〜18歳 | アメリカ(州によって異なる) |
16歳 | イギリス、ロシア、カナダ、韓国 |
15歳 | スウェーデン、フランス |
14歳 | ドイツ、イタリア、台湾 |
13歳 | 日本 |
見ての通り、前述した韓国では2020年に13歳から16歳に引き上げられています。
日本では現在、法務省の法制審議会で性交同意年齢の引き上げについて再度検討されています。4年前には実現しなかった引き上げが決議されるのかどうか、今後も注目していきたいと思います。
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